東京日記

東京の気になったものについて書いてます。『東京写真10選』全100編公開中

東京写真10選その98(八重洲編)

こんばんは一流です。さあ今夜はとうとう東京都の中核を為す存在の街をご紹介します。八重洲を歩いて気になったものをご紹介していきましょう。

 

 

 

 

八重洲に来ました。一般的には東京駅の東側のあたりを指す地名ですね。千代田区の中心地でグラントウキョウノースタワーやサウスタワーをはじめとして多くの高層ビルが立ち並ぶ日本を代表するオフィス街の一つです。先週少しお伝えしましたが、今回は98,99回目と大台直前SPということで東京駅周辺を2週間掛けてご紹介していけたらと思っています。ということは来週はどこだかもうお分かりですね。まずは東側の八重洲を歩いて気になったものを写真10枚でご紹介していきます。行くぜ大東京。

 

 

 

 

 

 

1.

 

f:id:icchiryu:20190828003528j:plain

 

まずは八重洲の名前の由来を見つけました。

八重洲地下街の一角に佇むこちらの人物は江戸時代に日本に漂着したオランダ人航海士、ヤン・ヨーステンです。彼の名前が八重洲の地名の由来となったことは有名ですね。ヤン・ヨーステンは1600年に大分県の豊後に漂着すると、徳川家康に見出され外交や貿易について進言する役目を与えられます。耶揚子(やようす)という日本名を与えられた彼は日本人女性と結婚し、江戸城の内堀に住み始めます。彼の住んでいた屋敷のあった場所は、八代州(やよす)河岸と呼ばれるようになり、これが変化して現在の八重洲という地名になりました。ヤン・ヨーステンはその後オランダへの帰国を希望し、当時オランダ総督府があったジャカルタへと出発しますが途中で船が難破しその夢は叶うことはありませんでした。しかし彼の生き様と功績は今もこうして東京の中心にしっかりと残されています。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.

 

f:id:icchiryu:20190829211308j:plain

 

八重洲ブックセンターに来ました。

全国に展開するチェーン書店の本店です。本好きで有名だった鹿島建設の社長、鹿島守之助氏によって作られた会社で、現在も鹿島建設のグループ会社の一角を務めています。1978年の開業当時は日本最大の書店であったと言われ、現在でも120万冊の書庫を誇る超巨大書店です。東京駅周辺というと丸の内オアゾにある丸善本店なども有名ですね。共にビジネス書が充実しており日本最大のビジネス街にふさわしい品揃えをしています。この八重洲ブックセンターは特に講演会やサイン会が多いことでも知られます。毎日のように作家や著名人のサイン会やトークイベントが行われており、本の虫にはたまらないスポットです。ビジネス書に囲まれるとまだまだ自分の知らない世界がたくさんあることに気付かされますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

3.

 

f:id:icchiryu:20190829214302j:plain

 

鍛冶橋駐車場に来ました。

長距離バスを利用したことのある方ならばお馴染みの場所でしょう。一日300便もの高速バスが発着する都内でも屈指のバスターミナルです。東京駅は八重洲口にもバス乗り場がありそこからも全国各地へと便が出ていますが、この鍛冶橋駐車場バスターミナルとの違いはチケットが事前に必要かどうかというところでしょうか。八重洲口前のバス乗り場は主にジェイアールバスが管轄しており、東京駅構内のチケット売り場でチケットを購入することが出来ます。対する鍛冶橋駐車場は各高速バス会社の乗り場で事前予約が必須となっています。個人的にはこの駐車場の東京駅からの微妙な距離感が気になってます。東京駅の八重洲南口から行った方が近いような、有楽町駅から行った方が近いような...どちらにしても5〜10分は掛かるので利用する際は時間に余裕を持って行動するようにしましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.

 

f:id:icchiryu:20190829221608j:plain

 

八重洲に来ると気になるのがこのキリンです。

日本橋三丁目交差点のところにある王冠をかぶったキリンの銅像。ここを通るたびに気になっていたので調べてみました。現在このビルに入るのはスターツコーポレーションという会社ですが、もともとは漢方で有名なツムラが入っていました。キリンは漢方では王様の象徴であったそうで、彫刻家の安藤泉氏によって力強いこの銅像が作られたとのこと。実はキリンのかぶっている王冠は照明器具になっており吹き抜けの天井を照らす役割があるそうです。日本橋のキリンというと橋の上の麒麟像がまず出てきがちですが、こちらのキリンの像も負けないくらいの存在感がありますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.

 

f:id:icchiryu:20190829231009j:plain

 

トラックの上に包まれた何かを見つけました。

ブルーシートの隙間からチラッと覗く顔...八重洲付近でよく飲み歩く人は見覚えがあるのではないでしょうか。この正体はエビのオブジェです。夜になるとその姿を現し、先ほどのキリンに負けない存在感を八重洲の街に放っています。これはこのトラックの目の前のお店、海老バルの宣伝カーのようなものです。一目でエビ専門店だとわかる優秀な広告ですね。ビジネス街であると同時に多くの飲み屋が立ち並ぶ八重洲ではこうした工夫も必要なようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.

 

f:id:icchiryu:20190830001706j:plain

 

青いポストを見つけました。

一般的な赤いポストの隣に見慣れない青いポストがあります。書いてあるのは「速達郵便」の文字。実はこれは極めて珍しい速達郵便物専用のポストなんです。かつては全国のビジネス街を中心に数百個設置されていたと言いますが、現在では全国で35個しか残されておらず、都内には6個しかないという極めて貴重なものです。そのうち5個はこの八重洲日本橋エリアに集中しています。(残りの1個は浅草にあるそう。)これはこの辺りが有数のビジネス街であることと、以前ご紹介したように日本橋が郵便の発祥の地であることが関係しているのかもしれません。

東京写真10選その66(日本橋・三越前編) - 東京日記

八重洲で青いポストを探す散歩企画というのも面白そうですね。

 

 

 

 

 

 

 

7.

 

f:id:icchiryu:20190830003043j:plain

 

杉原千畝センポミュージアムを見つけました。

こちらはかの杉原千畝の功績を伝える為に作られた記念館です。センポとは千畝の音読みで、杉原千畝の外交官時代のあだ名に由来しています。第二次世界大戦中、ナチスドイツの迫害から難民を逃すため、外務省の訓令に反してビザを発給し続け、数千人もの命を救ったとされる杉原千畝。その功績はあまりにも有名ですが、この記念館が出来たのは実は今年の3月のこと。杉原の出生地である岐阜県などには同様の施設がこれまでもありましたが都内に彼の記念館が作られたのは初めてです。館内には手記や勲章など様々な展示品があり彼の年譜を確認することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.

 

f:id:icchiryu:20190831000232j:plain

 

アーティゾン美術館に来ました。

と言ってもこの名前に聞き覚えのある方はまだ少ないのでないでしょうか。ここは2020年の1月に新しくオープンする予定の美術館です。もともとここはブリヂストン美術館という名前でしたが、2015年からビルの建て替えに伴うリニューアルで長期休館に入っていました。ブリヂストン美術館ブリヂストン創業者の石橋正二郎の西洋美術の収集品を展示する美術館として石橋財団により運営されていた美術館です。新しくできるアーティゾン美術館はブリヂストン美術館のDNAを引き継ぎながらも設備などを含め一新し、全く新しい美術館として生まれ変わる予定になっています。都心のど真ん中のビジネス街で、優雅に美術品と触れ合うというのもなかなか大人の楽しみ方ですね。オープンを楽しみに待ちたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

9.

 

f:id:icchiryu:20190831013954j:plain

 

平和の鐘を見つけました。

東京駅八重洲口を出てまっすぐ行くと見えてくるこちらの鐘。1980年に中央区が日本とオランダの修好380周年を記念して設置したものです。日本のオランダとの交流は先ほど述べたヤン・ヨーステンから始まっており、彼のモニュメントもこのそばに設置されています。この鐘を製作したのはオランダのロイヤル・アイスバウツ社というところで、ノートルダム大聖堂の鐘を製作するなどの実績を誇るメーカーのようです。平和の鐘の下には中央区平和都市宣言も掲げられています。9時から21時までの間の0分になると八重洲の街に鐘が鳴り響きます。ちょうどこの写真を撮った頃に鐘が鳴っていたので聴き入ってしまいました。オランダとの交流の歴史、そして平和への願いという二つの思いを込めた鐘の音は胸に響きました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.

 

f:id:icchiryu:20190831021028j:plain

 

八重洲口といえばやっぱりこのルーフが気になります。

230mにも及ぶ巨大なグランルーフが八重洲口のシンボルとなって早6年余りが過ぎます。2013年の9月に完成していますが、これは東京駅舎の復元工事が終わりお披露目された翌年のこと。開発が進む丸の内側に比べて八重洲側は古くからのビルも多く、少し景観が見劣りしていました。そこでランドマークとして作られたのがこのグランルーフでした。光の帆をイメージしたという大屋根は、白く暖かい光で歩行者を包み込むような感覚を与えています。八重洲口側の象徴的なビルであるグラントウキョウノースタワーとサウスタワーをこのルーフとペデストリアンデッキで繋ぐことで新たな人の流れが生まれています。他にも東京湾からの海風を防いだり、駅のホームが丸見えにならないようにするなど色々な役割を果たしているのだそう。まだまだ進化が止まらない八重洲のランドマークとしてこれからも存在感を放ち続けて欲しいですね。

 

 

 

 

 

 

 

ということで八重洲周辺をお届けしました。

今週は東京駅の東側でしたので来週は西側をお届けします。お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

おわり