東京日記

東京の気になったものについて書いてます。『東京写真10選』全100編公開中

東京写真10選その80(皇居編)

みなさまこんばんは一流です。平成最後の更新ということですごいところを歩きました。一つの時代にお別れを告げる準備をしましょう。

 

 

 

連休中いかがお過ごしでしょうか。平成最後の更新は皇居を歩きました。2019年は3月30日〜4月7日まで乾通りの一般公開が行われていたためその時撮った写真をご紹介していきます。明日4月30日にはここで退位の儀が行われ明後日の5月1日には新天皇の即位の儀も行われます。ついに平成が終わり新しい令和の時代が訪れることになります。平成生まれの私としては寂しい気持ちもありますが、新たな時代に期待と希望を抱きながらこれからも街歩きを続けていきたいと思います。平成最後の10枚をその目に焼き付けてください。

 

 

 

 

 

  

 

 

1.

 

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まず宮殿からご紹介です。

ここは天皇陛下が皇室行事などの儀式を行う施設です。正殿や長和殿などの7棟の建物と庭園からなる総称です。このうち長和殿は新年と天皇誕生日一般参賀が行われる際に使用される建物としてよくニュース番組の映像などでよく見ることができます 。ただ他の建物やその内装は一般人であればまず見ることはできないしょう。数年前まで宮殿内の特別参観が行われていた時期もあったようですが、年に2回のみの実施で応募者約11万人に対し当選者は152人というとんでもない倍率だったようです。写真であれば宮内庁のホームページから見ることができますので気になる方はチェックしてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.

 

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宮内庁の庁舎です。

皇室関係の仕事を担当する内閣府内の独自機関が宮内庁です。先ほどご紹介した宮殿とも渡り廊下で繋がっています。この庁舎は1935年に建設されたもので元々は仮の宮殿として使われたいたものです。明治時代の頃、現在の宮殿にあたる明治宮殿という建物が長らく皇室の中心的存在として存在していました。しかし第二次大戦時の空襲により焼失すると現在の宮殿が作られるまでの仮の宮殿として作られたのがこちらの建物でした。そのためこの建物で一般参賀が行われたこともあったそうです。1968年に現在の宮殿が完成すると宮内庁の建物として使われ始め、現在は宮内庁職員か関係者、記者などしか入ることのできない建物となっています。坂下門の近くにあるため皇居の外苑からも姿を確認することができます。

 

 

 

 

 

 

 

 

3.

 

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江戸城の名残を見つけました。

こちらは江戸城の富士見櫓です。江戸城の遺構としては唯一の三重櫓として知られます。その名の通りかつてはここから富士山を臨むことができたとされ江戸城の中でも特等席のようなポジションだったようです。江戸城天守は1657年の明暦の大火により焼失し、その後経済的な理由などから再建されることはありませんでした。それ以来天守の代わりとされたのがこの富士見櫓だったと言います。その造りは伊豆の自然石をそのまま積み上げたというシンプルなものであるにも関わらず極めて堅牢であり、関東大震災でもほとんど被害が出なかったと言います。またどこから見ても同じ形に見える造りをしているため八方正面の櫓とも呼ばれています。江戸と東京を400年近くも見守ってきたのかと思うと歴史の重みを感じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

4.

 

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蓮池参集所です。

参集所とはあまり聞きなれない言葉ではありますが、ここは全国から来た奉仕団の休憩場所として使われています。奉仕団とは皇居内での勤労を行う有志の団体のことで、宮内庁のホームページから申請を行う事が出来ます。主に皇居や赤坂御用地の除草や清掃作業を行うことになるようです。この蓮池参集所はそんな有志の方々の休憩所であるほか天皇陛下が奉仕団に挨拶(ご会釈)を行う場所ともされています。皇居内の建物はどれも調べれば調べるほど自分の知らない話がどんどん出てきて興味深いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

5.

 

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 山下通りです。

皇居の一般公開の際に通ることができる乾通りから伸びている通りです。ここは春は桜、秋は紅葉が見られる手付かずの自然が残る紅葉山に面している通りです。この紅葉山には皇室の御養蚕所があります。皇后陛下はここで養蚕を行なっており、餌の桑の葉を与える給桑に取り組まれています。皇居では現在3種類、15万匹もの蚕を飼育しており、その生糸は宝物の修復などに使われることがあるそうです。皇后陛下が養蚕を行うという習わしは明治天皇の皇后が要望したことが起源とされ、その際にアドバイスを行なったのが渋沢栄一とされています。新札の顔になることで再び脚光を浴びている彼ですが、その多彩さ故に歴史のあらゆるところでその名を確認することができますね。皇后陛下の養蚕は公務ではなく伝統文化の継承という位置付けで令和の時代も引き継がれていく予定のようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.

 

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富士見多聞です。

先ほど富士見櫓をご紹介しましたが今度は多聞という建物です。多聞とは城郭の石垣の上に作られた長屋のことで櫓の一種です。中に鉄砲や弓矢などを保管し、敵に攻められた際は格子窓を開けて狙い撃つことができたといい、通常の城壁よりも強固な防御壁でした。これも先ほどの富士見櫓の天守と同じ名前の由来とされており、ここからも富士山を臨むことができたと言います。通常の櫓とこういった多聞の組み合わせで江戸城は鉄壁の城郭を誇っていました。現存する江戸城の多聞はこの富士見多聞だけとなってしまっていますが、ひときわ強固な造りだったからこそ現代にもその姿を留めておくことができているのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.

 

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乾濠です。

江戸城の本丸を守るための内濠の一つが乾濠です。三日月状の形をしていることからまたの名を三日月濠とも言います。皇居の周辺には外濠と内濠を合わせると25もの濠があり、あらゆる方向に伸び皇居を囲い込んでいます。人の手が加わることのない水と自然が残っていることから皇居内は貴重な生物も含めた生態系が維持されています。2000種を超える植物と6500種近い動物が確認されており、まさに都会のオアシスと呼ぶことができるでしょう。敵を防ぐために作られた濠が動植物を保護する役割に変化しているとはなんとも素敵なお話ですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.

 

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乾門です。

皇居の一般公開の際には坂下門から入り主にここが出口として使われます。黒を基調とした高級感のある門です。江戸城本丸から見て戌亥の方向にあることから乾門という名前がつけられていますが、明治時代に作られた比較的新しい門です。皇居の周りには現在9つの門があります。正門や坂下門、この乾門のほか桜田門半蔵門など現在の東京の地名として使われている名前も多く見ることができます。それぞれの門に役割があり、一般公開や一般参賀の際に使われる門や皇室専用の門など様々です。門をテーマに皇居周辺を歩いてみるのも楽しそうですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

9.

 

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皇居出ちゃいました。

乾門を潜るとすぐあるのが首都高の代官町出入り口です。代官町とはかつてのこの場所の地名であり、現在はこの首都高出入り口と通りの名前くらいにしかその名を残していません。高速の入り口なのにETCレーン直前の箇所に横断歩道がある珍しい作りをしています。皇居の出口すぐに首都高の入り口があるということはここから皇室関係の車が高速に乗ったりすることがあるんでしょうかね。逆に一般の方はなかなか使う機会の少ない出入り口だと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.

 

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桜で平成を締めます。

この企画800枚目にして初めてまともにキレイな写真が出てきた気がします。今回の皇居訪問のメインの目的はこれでしたのでたまにはこういうのもいいですよね。皇居周辺が桜の名所であることは言わずもがなですが、意外とその歴史は浅く明治時代にイギリスの外交官であったアーネスト・サトウが公使館の前に植えた桜を当時の東京府に寄付したことが由来とされています。それから次第に桜の数が増えていき現在の千鳥ヶ淵の絶景が形作られたと言います。実は桜はキレイに咲くことができる樹齢が限られているそうで、現在の皇居周辺の桜は手入れされたり新しいものを植えたりしてその美しい姿を保ち続けているのだそうです。平成が終わって令和の時代となっても日本人の象徴とも言える桜が満開になる光景が受け継がれ続けていくことを願ってやみません。

 

 

 

 

 

 

 

ということで平成最後の更新は皇居をお届けしました。

この企画は元号をまたいでも続けていきますので次週の更新を楽しみにしていてください。令和で会いましょう。

 

 

 

 

 

 

 

おわり