東京日記

東京の気になったものについて書いてます。『東京写真10選』全100編公開中

東京写真10選その61(三軒茶屋・西太子堂編)

こんばんは一流です。今夜は世田谷区から三軒茶屋の街を散策して気になったものを披露していきます。さんちゃですよさんちゃ。

 

 

 

久しぶりの世田谷区から登場するは三軒茶屋の街です。「さんちゃ」と略すわりには「さんげんぢゃや」と濁るのが正しい読み方です。住みたい街ランキングの上位の常連で、世田谷区の住宅地で最も地価の高いエリアでもあります。渋谷から東急田園都市線で繋がっている他、路面電車である東急世田谷線の始発駅でもあります。世田谷線で隣駅となる西太子堂駅と合わせ、首都高と246号線沿いに広がるオシャレさとレトロさを兼ね備えた街で見つけた気になるものを写真10枚でまとめましたので、ぜひお楽しみください。

 

 

 

 

 

 

 

 

1.

 

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まずは三軒茶屋の象徴、キャロットタワーが気になりました。

あまり高い建物の無い三軒茶屋界隈において一際存在感を放つ124mのビルです。ビルの外壁が人参みたいな色をしているからキャロットタワーというらしいです。かわいい名前。1996年に完成し、東急田園都市線世田谷線三軒茶屋駅にも直結しており中にはオフィスや商業施設、行政の窓口など様々な機能が集約されています。最上階は無料の展望室になっており、首都高や246号線を軸とした三軒茶屋の街並みを一望できます。初めて三軒茶屋を訪れた方はとりあえずキャロットタワーに行けばだいたい街の雰囲気を掴めると思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

2.

 

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東急世田谷線三軒茶屋駅に来ました。

都電荒川線と共に、都内に残る貴重な路面電車として知られる東急世田谷線の始発駅がこちらの三軒茶屋駅です。ここから下高井戸駅までの約5kmの区間を10駅で結ぶ世田谷線は23区西部では貴重な南北を繋ぐ路線です。前払いの一律150円でまるで旅行先のローカル線のような気分が味わえます。また車両も特徴的で、青赤緑黄などなどカラフルで可愛らしい見た目でも知られます。その歴史は古く、前身となる玉川電気鉄道の下高井戸支線として1925年に開業しています。その後本線であった渋谷-二子玉川間を始めとし多くの路面電車が姿を消す中、今日まで世田谷区民の足として活躍を続けています。乗り方に戸惑わないよう調べてから乗ってみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

3.

 

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三軒茶屋駅からもう一枚です。

田園都市線の表示が剥がれかけており、新玉川線という文字がちらっと見えています。この新玉川線を語るには先ほどの世田谷線の話をもう一度振り返る必要があります。先述の通り世田谷線玉川電気鉄道の高井戸支線が元々のルーツですが、その本線であった渋谷-二子玉川間の路線は玉川線と呼ばれていました。その後経営権が東急に移ると首都高や地下鉄との兼ね合いから路面電車は廃止されましたが、そのルート上に作られたのが現在の東急田園都市線です。そのため開業した1977年から2000年までは渋谷から二子玉川駅区間新玉川線と呼んでいました。現在は全区間田園都市線と呼ばれており、東急多摩川線という同じ読みの路線が誕生したこともあって新玉川線の名前はあまり見られなくなりましたが、こうした看板などにかつての名残が見え隠れしています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.

 

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まだまだ行くよ世田谷線関連シリーズ。

めちゃくちゃ数字が細かいな。こういうのってだいたい5とか10m単位で合わせてませんか?ちなみにこの近くの看板では残り124mって書いてありました。刻むね、東急。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.

 

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エコー仲見世商店街に来ました。

駅近に構える店がぎゅうぎゅうに密集したエリアです。通りの左右に店がある一般的な商店街のスタイルとは異なり、縦横無尽に路地が交差する屋根下に店が展開しており、まるで迷路のようなワクワク感が楽しめます。三軒茶屋というと住みたい街ランキング上位のおしゃれなイメージが先行していますが、実際はこうした下町感のあるごちゃっとした街並みも駅前に多く広がっています。三軒茶屋朝鮮戦争時の特需で発展を遂げた街の一つであるということですが、その際に道路などのインフラが整わないまま住宅地やアパートが乱立されたことから、このような店や家が密集した地域が生まれたと言います。私も初めて訪れた際は当初抱いていたイメージとのギャップが面白かったのを覚えています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6.

 

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シアタートラムに来ました。

世田谷線三軒茶屋駅の改札のすぐそばにある劇場です。名前の由来はそのままトラム=路面電車から。ここはキャロットタワー内にある世田谷パブリックシアターを主劇場とする姉妹店みたいな立ち位置の小劇場です。この劇場の特徴は舞台設計の自由度の高さにあります。床を自由に構成して舞台や客席をあらゆる形状に作り変えることができるそうです。通常は客席と舞台はもちろん向かい合っていますが、舞台を中心として客席で四方を囲んだりと、その柔軟性の高さは客の想像を越えていきます。ここで演技する役者は構成しがいがあるでしょうね。前に下北沢を歩いた時も紹介しましたが、世田谷区は演劇文化に力を入れていることがよくわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

7.

 

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落書きを見つけました。

家主の人が自分で書いたのかもしれませんが、言ってることは正しいのに落書きでそれを表現したら台無しな気がします。毒を持って毒を制す的なアレですかね。スーサイドスクワッド的な? しかも「な」の隣に落書きが追加されちゃってるせいでぱっと見「ゴミもちこむ」だけに見えちゃいます。解決するといいですねゴミ問題。

 

 

 

 

 

 

 

 


8.

 

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でかい石を見つけました。

これはかつての大山道の道標として使われていたものです。大山道とは現在の神奈川県にある大山へと通ずる道のこと。大山は古くより山岳信仰の対象として農民から参詣されており、現在の都内や神奈川県内などにいくつも大山への道が作られました。三軒茶屋を通る大山道は赤坂から渋谷を通り多摩川を渡って厚木などを抜けて大山へと続く道路で、これが後の国道246号線や玉川線などの原型になりました。数ある大山道の中でも江戸の中心から大山を繋ぐ道として常に賑わいを見せていたと言います。現在の246号線の往来の多さは山岳信仰がルーツにあったと考えると面白いですね。人が行き交う場所というのは昔から何かそういう理由を抱えていることがよくわかります。

 

 

 

 

 

 

 

 

9.

 

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図書館カウンター三軒茶屋という場所を見つけました。

気になったのは施設案内に書かれていた内容です。この施設は図書館の名を冠していながら、館内に蔵書が無いとのこと。仕組みはこうです。利用者はあらかじめスマホやパソコンを使って借りたい本やCDをサイト上で予約します。すると取り寄せが完了した旨の通知が来るので、この図書館カウンターを訪れると実物を借りられるというもの。つまり取り寄せ専用の図書館で、貸し借りの手続きだけを行う窓口が用意されているという形態です。全国でもほぼ類を見ない仕組みで、都内でもここと二子玉川にしかないそうです。図書館が駅近に少ない世田谷区の住民に向けて作られた施設とのこと。無数の本に囲まれながら目についた面白そうなものを借りる...という図書館ならではの楽しみ方はできませんが、場所やコストを抑え必要な需要に必要なだけの供給を行う仕組みはなかなか面白いアイディアと言えそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

10.

 

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ウサギが祀られています。

ウサギが祀られています。ここは西太子堂駅からほど近くの太子堂八幡神社という神社です。この一帯の地名にもなっている太子堂とは聖徳太子を祀る仏堂を指す言葉。この近くにある円泉寺に太子堂があることからその地名が付けられました。この太子堂八幡神社の「太子堂」は聖徳太子を祀る太子堂があるわけではなく、地名としての太子堂です。ややこしい。創建は平安時代とも言われるこの神社ですが、特徴は境内でウサギを飼っていること。最近は仔ウサギが3匹も生まれたようで、この日も境内の一角のウサギコーナーを飛び跳ねていました。そんなこともあって写真のように堂の中にウサギを設置しているようです。空気を出し入れしているらしくぴょんぴょん動いていました。かわいい。他にもこの神社は御朱印が非常に可愛らしい事でも知られています。神社ってカタいイメージがありますけどこの神社は癒しポイントがたくさんありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

というわけで三軒茶屋西太子堂周辺をお送りしました。歴史を色々学べた気がします。

次回は今回の倍の数字が付く街に行ってみましょう。お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

 

おわり