こんばんは一流です。東京のあらゆる街を写真10枚でご紹介する企画の25弾目です。今夜はついに世界一のターミナル駅、新宿駅周辺をご紹介いたします。
ついにこの街をご紹介する時が来たようです。25回もやっておきながら無視しておくのもおかしな街ですのでやっと行ってきました。
今まで都心や副都心エリアは敢えて避けていました。よく行ったことのある場所ほど『気になるもの』というのは気づきにくくなるからです。初心に帰らないと街歩きにおいて違和感を見つけることは出来ません。新宿という街は改めて見ると気になるものだらけなので今回は駅周辺の狭いエリアで限定しました。皆さんが見かけたことがあるものもあるかもしれませんが、改めてご紹介していきましょう。
1.
まずは東口から歌舞伎町に向かう道をご案内です。
果物を売ってる百果園を右に見る通りですが、ここに見落としがちな金属の看板があります。読みづらいですがここには「モア2番街」との表記があります。実は東口のこの辺りのエリアはモア2番街からモア5番街までの地区に分けられています。ですがどこからどこまでがどのモア街なのかということはほとんど書かれていないため完璧に把握している人はあまりいないのではないでしょうか...。一応各エリアにこの看板は設置されているので気になる方はこのあたりを散策してみましょう。
2.
先ほどの看板から左を向くと目に入るのがこちら。
新宿で降りたことのある人なら一度は見たことがあるであろう天神愛眼の巨大看板です。最近看板のデザインが一新されたようですね。新宿の一等地で福岡にあるビルの宣伝をするというめちゃくちゃな金の掛け方をしている天神愛眼グループ。福岡県ではCMを流しまくっておりその名を知らない人はいないのだとか。宣伝費の占めるウェイトが重めな会社なようです。しかし私が気になるのはこの看板よりも看板内部にある空間の方です。新宿の一等地にビル一個分くらいは建てられそうな敷地がありながらも建設の構想の噂すら聞きません。色々と事情がありそうですが調べても何も出てこないので首を深く突っ込むのはやめておきます。
3.
旧青梅街道の看板です。
東口と西口の待ち合わせを間違えた時はここを使いましょう。ガード下を潜り最速で東西を行き来できる道です。ここは旧青梅街道の始点であった場所です。現在の青梅街道の始点でもあり、ここからスタートした道は青梅などを通り最終的には山梨県の甲府市まで繋がっています。途中にはいくつもの宿場町が作られ、江戸時代の頃から賑わいを見せていた通りでもあります。『新宿』という地名も元は『新しい宿場町』ということが由来となっています。今も昔も何かが始まる街として新宿は今日も多くの人で賑わっています。
4.
上記の旧青梅街道のガード下を抜けると現れるのがこの思い出横丁です。
狭い路地にぎゅうぎゅうに飲み屋(主に焼き鳥屋)が詰まっているこの横丁は最近では外国人観光客の姿も多く見られます。闇市に起源を持つこの横丁はかつてはションベン横丁とも呼ばれていたのだとか。店がとにかく密集しており席は狭いですが、焼き鳥の名店が数多く並びしのぎを削っています。新宿の飲み屋街というとゴールデン街なんかも有名ですが、こちらの思い出横丁の方が駅に近く訪れやすいような気もします。新宿のディープな世界へ飛び込む第一歩目としてまずは思い出横丁を攻めてみるのはいかがでしょうか。
5.
そんな思い出横丁の焼き鳥屋街を抜けると見える風景がこちらです。
金券ショップが数件横並びに競合している何とも凄まじいエリアです。こちらも元闇市だった思い出横丁の歴史を考えると、ここに形成された経緯も想像に難くありません。個人的には金券ショップって利用したことがないのでシステムがよくわからないんですが、ここまでショップごとに扱ってる券の種類が違うのでしょうか。同じチケットでも値段が隣の店ごとに違うなんてこともこの場所だとありそうだなとか思ってしまいました。
6.
西口に来ましたので、モザイク通りをご紹介しましょう。
東口と西口を繋ぐ道は先ほどお伝えしましたが、このモザイク通りは西口と南口を繋ぐ通りとなっています。京王百貨店と小田急百貨店の間の抜け道のような通りですが、飲食店や衣料雑貨店が立ち並ぶ屋根のないオープンモールの形態を取っています。建物と建物の隙間にあるのであまり知られていませんが、新宿駅を突っ切るルートとしては非常に利便性が高いです。床のタイルがモザイク柄であったことが名前の由来であるようですが、現在は普通の四角いタイルになっています。
7.
西口に来たので「新宿の目」をご紹介しておきます。
西口から都庁方面に抜ける道を通ったことがある方なら一度はそのインパクトに驚いたことがあるのではないでしょうか。1969年に作られたというこの目は中央部が光ったり微妙に動いたりする一度見たら忘れられないオブジェです。この前を歩いていると瞳が自分の方を見つめているような錯覚に陥りますね。これは建築家の宮下芳子氏の作品で、時の流れ、思想の動き、現代のあらゆるものを見つめている目であるそうです。50年近く都心の真ん中でどんな景色を見てきたのか想いを馳せてみるのも興味深いですね。
8.
新南口に移動しました。
長らく工事が行われていた南口周辺もバスタ新宿やミライナタワーなどがオープンし、ガラッとリニューアルしてから早いもので2018年の春で2年になります。こちらは新南改札を出たところにあるSuicaのペンギンの像です。Suicaのペンギンってなんて名前なんだろうと思って調べてみたら特に名前はなく「Suicaのペンギン」と呼ぶのが正しいそうです。「Suicaを持ってる人の分身である」という観点から固有名はつけなかったのだとか。分身だったのかお前。この銅像がある場所は「Suicaのペンギン広場」として新たな待ち合わせスポットとして賑わっています。
9.
ぐるっと回って東口に戻ってきました。
この特徴的な外見の建物、東口を出てすぐのところにあるんですが皆さん目を止めたことはあるでしょうか。私は何度もこの目の前を通っているにも関わらず全く見落としていました。安与ビルというこちらの建物は、1Fはあおぞら銀行が、2F以上は貸会議場や懐石料理屋などが入っています。八角形が連なった特徴的な外観は明石信道氏の設計で1967年に建てられた歴史のあるビルです。最近では外観の窓の部分にリフォームが施されたようで、夜のライトアップ時に行くと八角形から漏れ出す緻密に計算された光が新たな表情を見せてくれるそうです。
10.
さて最後は新宿でもっとも寂れた道をご紹介します。
この道、1つ上写真にも写っているのですが安与ビルの右側にある道です。新宿駅の間近の道だというのにここを通ろうとする人はほとんどいません。なぜならご覧のように何もないからです。右側は線路や駅構内、左側は建物の裏口が続き本当に店一つありません。自動販売機があるくらいです。表の通りからは想像もできない景色がこの道には広がっています。街灯が向かいのビルにくっつきそうなのもアンバランスさを感じます。新宿で異世界感を感じたい方は怪しい店に行くよりはこの道を訪れてみたほうがいいかもしれません。
ということでついに新宿をご紹介しました。
駅周辺に限定したのでもっと広い範囲もいつかやりたいですね。
次回は個人的に好きな街をご紹介します。
おわり