東京日記

東京の気になったものについて書いてます。『東京写真10選』全100編公開中

東京写真10選その88(上中里・西ヶ原編)

みなさまこんばんは一流です。今日は都心の穴場、上中里と西ヶ原の街をお届けしていきます。よろしくです。

 

 

 

 

 

北区から登場するのは上中里と西ヶ原の街です。ぶっちゃけいうとかなり地味な街です。京浜東北線が通る上中里駅京浜東北根岸線のすべての駅の中で最も利用者が少ない駅です。また23区内にあるJRの駅という括りで見ても、以前ご紹介した越中島に次ぐ2番目の少なさとなっています。これは駅周辺の切り立った地形によりまとまった敷地が取れず、大規模な施設が無いため。周辺は住宅街が広がりますが、近くにある東京メトロ南北線西ヶ原駅東京メトロのすべての駅の中で最少の利用者人数となっています。まさに23区のエアポケットとも言えるこのエリアで気になったものを写真10枚でまとめてみましたのでご覧ください。

 

 

 

 

 

 

1.

 

f:id:icchiryu:20190620231607j:plain

 

まずは上中里駅前の光景からです。

よくある駅前の地図ですが、その上の広告スペースが気になります。年季の入った「この広告スペースお使いください!」の文字が哀愁を誘います。考えてみればここは23区内のJRの駅前。普通の駅であれば広告を打ち出す場所としてはかなり価値の高い場所のように思えますが、利用者の少ないこの駅では残念ながら広告が埋まらないようです。駅前にコンビニ一つすら無いためよほどの用事がない限り訪れる機会は少ないと思われる上中里ですが、そういう街ほど歩いてみると楽しいものです。いざ上中里の街へ繰り出してみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

2.

 

f:id:icchiryu:20190620233730j:plain

 

駅前の風景が気になりました。

上中里駅は降りるとすぐに急勾配の蝉坂という坂が目の前に現れます。上中里は駅自体が切り立った台地の斜面に位置しており、駅周囲は高低差が激しい地形となっています。それに加え近くには後述する尾久駅の車両センターがある影響でまとまった土地がほとんどなく、商業施設や商店街などもありません。利用者が少ないのは住民以外でここで降りる人が極端に少ないということなんですね。このエリアには山手線の田端駅や駒込駅なども徒歩圏内にあるためこの駅を最寄りとして使う人自体もかなり少ないのかもしれません。ですがこういう街ほど歩いてみないとわからないことがたくさんあるはずです。引き続き気になるものをどんどん探していきましょう。

 

 

 

 

 

 

 

3.

 

f:id:icchiryu:20190622153107j:plain

 

先ほどの蝉坂の上にある神社にやってまいりました。

この平塚神社は平安時代に創建されたという歴史ある神社で、源頼朝の先祖である八幡太郎 源義家が祀られています。甲冑塚と呼ばれる源義家の鎧を納めた塚が本殿の裏にありそれが平たいことから平塚の名がついたようです。この場所には神社とともに平塚城という城も建てられていました。築城したのは豊島氏とされていますが、この名前なんだか見覚えがないでしょうか。少し前に石神井公園を歩いた時に見つけた石神井城の城主と同じ名前ですね。

東京写真10選その85(石神井公園・大泉学園編) - 東京日記

この平塚城は石神井城の支城としての役割があったようです。全く違う街でこのようなつながりを偶然見つけることができるのは面白いですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

4.

 

f:id:icchiryu:20190622160005j:plain

 

地震の科学館にきました。

東京都北区防災センターの名称もあるこちらの建物は、東京都で初めてできた防災センターでもあります。施設内では無料で起震装置を用いた地震の体験や、煙や初期消火の体験も行うことができます。地震により家具などが倒れた室内の様子などを再現したコーナーや、室内の防災対策に関する展示も充実しており地震に対する様々な知識を吸収することができます。子供用に向けたクイズコーナーなどもあり、親子で来て家族で地震や災害について考えるきっかけ作りにはもってこいの施設ですね。最近は大きい地震も多いですし、いつ関東で大きな地震が来てもおかしくありません。他人事と思わず自分の住んでいる街に置き換えて何ができるかを考えることが防災対策においては何よりも大事なことですね。

 

 

 

 

 

 

 

5.

 

f:id:icchiryu:20190622161223j:plain

 

そんな地震科学館の隣にある公園がこちらです。

滝野川公園です。アスレチックや滑り台などの遊具も充実していますが遊べる池があることが一番の特徴でしょうか。白御影石の高さ5mの壁から流れる水が池となって溜まっており、子供達が自由に遊ぶことができるようになっています。この公園は先ほど述べた地震科学館と合わせて北区の総合的な防災拠点としての機能も持っています。他にも消防署や体育館などが併設されており有事の際は様々な対応を取ることができます。大きな施設があまりない上中里だからこそ、こうした防災設備を兼ね備えたスポットを作ることができるのかもしれませんね。写真にあるオブジェが気になったのですが調べてもあまり情報が出て来ませんでした..。

 

 

 

 

 

 

 

 

6.

 

f:id:icchiryu:20190622172818j:plain

 

気づいたら西ヶ原駅に来ていました。

上中里駅のメトロバージョンといえばわかりやすいでしょうか。東京メトロ全駅の中で最も利用者数が少ないのがこの西ヶ原駅です。都営地下鉄で最も利用者数が少ない駅は都営三田線新高島平駅なのですが、西ヶ原駅新高島平駅よりも利用者が少ないためメトロどころか都内の地下鉄で最も利用者が少ない駅ということになります。ちなみに2番目に少ない駅は同じく南北線志茂駅なのですが、赤羽駅が最寄りの私は志茂駅もたまに利用するので最下位を免れてホッとしたのは秘密です。この駅も徒歩圏内に王子駅などがあるためなかなか利用されづらいのかもしれませんね。以前歩いた南新宿などと同じく、交通の利便性が高い駅が別で徒歩圏内にあり、住宅街の中にある駅は都内といえどどうしても利用者数が少なくなる傾向があるようです。東京の交通が便利すぎるがゆえのジレンマといえそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

7.

 

f:id:icchiryu:20190622231227j:plain

 

西ヶ原駅の近くにある病院が気になりました。

ここはもともと国立印刷局東京病院という国立印刷局が運営する病院でした。以前王子を歩いた時にご紹介しましたが、滝野川にはかつて国立印刷局の工場が置かれていました。その職域病院として開かれた国立印刷局東京病院でしたが、一般の患者の受け入れも行なっていました。2013年からは別団体が運営を行うようになったため現在の花と森の東京病院へと名前が変更されています。この花と森という名前は西ヶ原の周辺の自然が関係しています。花は桜の名所として知られる飛鳥山公園に、森は先ほどご紹介した滝野川公園に由来しており、自然の持つ心を癒す力のような医療を提供したいとの思いからこの名になったそうです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

8.

 

f:id:icchiryu:20190623130610j:plain

 

旧古河庭園に来ました。

西ヶ原の名所といえばまずここが挙げられるでしょう。もともと陸奥宗光の別宅であったこの土地を1914年に古河虎之助が購入し整備したことに起源を持ちます。写真の西洋館はニコライ堂などを設計したジョサイア・コンドルが設計したものです。関東大震災や戦火も免れた洋館は大正時代からその姿を留めています。現在はガイドツアーに参加することで中に入ることができます。イベントや結婚式場として貸し切ることもできるのだとか。またこの庭園はバラの名所としても知られており100種もの色鮮やかなバラを楽しむことができます。日本庭園も見事で起伏に富んだ地形を利用した滝や樹林は見応えがあります。日本庭園・バラ・洋館という趣の違う要素を見事に調和させた旧古河庭園は庭園初心者の方にもオススメできるスポットです。

 

 

 

 

 

 

 

 

9.

 

f:id:icchiryu:20190623202822j:plain

 

中里貝塚史跡広場という碑を見つけました。

一見するとただの原っぱですが、かつてこの地下で日本最大級ともされる貝塚が発見されました。およそ4000年前に形成されたとされる中里貝塚は幅40m、長さ1kmにもなる巨大な貝加工場だったと言います。現在は国史跡に指定され、埋め戻され保護されています。この場所に貝の加工場があったということはかつてここは海の近くであったことを意味しています。今では想像できませんがかつてここには海岸線が広がっていたとのことです。当時の様子や貝層は王子の飛鳥山博物館で展示されています。上中里、めっちゃ見どころありました。

 

 

 

 

 

 

 

 

10.

 

f:id:icchiryu:20190623205339j:plain

 

最後は尾久車両センターで締めます。

上中里駅の近くに尾久駅という駅があります。こちらも上中里の次に利用者数の少ない過疎駅なのですが、この駅のそばに尾久車両センターという列車の車両基地があります。現在は貨物列車や寝台列車、皇室用のお召し列車など86両もの車両が配置されています。毎年11月には一般公開イベントも開催しており、子供や鉄道マニアに人気のスポットでもあります。ただしこの車両基地が広がることが上中里駅東側にまとまったスペースがないことにも繋がっており、この周辺の駅に利用者が少ない一因ともいえそうです。都内で最も利用者が少ない駅には様々な理由があることがよくわかりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

ということで上中里・西ヶ原の駅をお届けしました。

来週はある大学の名前がついたあの駅周辺をお届けします。お楽しみに。

 

 

 

 

 

 

おわり